ルヴェナ

大陸の各地にその名を轟かせた畏き者「ルヴェナ」は、独特の外見と行動で人々の恐怖の対象。この畏き者は特に子供たちをその対象とし、多くの地域で子供たちが突如として姿を消してしまうという惨事が報告されていた。各地で独自の方法で子供たちを守ろうと努力し、様々な儀式や祈りが行われるようになった。

外見と特性

ルヴェナの外見は、漆黒の鱗に覆われた巨大な獣のようであり、赤く燃えるような目が特徴的である。この畏き者は、夜間に活動することが多く、夜の闇に紛れて子供たちをその魔の手にかけると言われている。そのため、多くの地域では夜の外出を控える、家の中で明かりを灯すなどの対策が取られていた。

恩寵とその特性

ルヴェナの持つ恩寵は、その持ち主に一時的な透明化の能力を与えると言われている。この恩寵を持つ者は、一定の時間だけ他者からの視認を逃れることができ、この能力は盗賊やスパイなど、潜伏や隠密行動を行う者たちにとって極めて価値のあるものであった。しかし、その反面、長時間の使用や頻繁な使用は持ち主の肉体に大きな負担をもたらすとも言われている。

ルヴェナと各国の対応

このルヴェナの脅威に対して、七国はさまざまな対策を練ってきた。特に、七国期654年にはノルセリアの都市レヴィアルで大規模なルヴェナ退治の儀式が行われ、この時の儀式に参加した者たちの中から数名がルヴェナの恩寵を手に入れるという出来事が報告されている。また、フェダスでは神聖王制のもと、畏き者グレナキアとの関係を活用してルヴェナを鎮圧する試みが行われたことも記録に残っている。

ルヴェナはその行動から、多くの地域で「夜の悪魔」とも呼ばれていた。七国期702年には、アヴィスティアの伝説の英雄ラーゼルがルヴェナを追跡し、その存在を証明するとともに、その恩寵を手に入れることに成功したというエピソードが伝えられている。このエピソードはアヴィスティアの伝統的な物語としても語り継がれており、ラーゼルの名は英雄として多くの人々に知られている。