グラゴヴァン
断崖絶壁と峡谷を司る、巨大な岩柱の姿をした畏き者

グラゴヴァンは、断崖絶壁と峡谷を支配する強大なセファ級の畏き者である。その姿は巨大な岩柱として現れ、時に峡谷の風となって唸る。人々に「不動の意志」という恩寵を与え、精神的な強さをもたらす存在として畏れられ、崇拝されている。
グラゴヴァンの存在は、大地の深奥に根ざし、天空へと伸びる巨大な岩柱として顕現する。その姿は、まるで大地そのものが立ち上がったかのような圧倒的な存在感を放つ。風化した表面には、無数の年輪のような模様が刻まれ、太古の昔から存在し続けてきたことを物語っている。
峡谷や断崖絶壁に佇むグラゴヴァンの姿を目にした者は、その威容に圧倒され、言葉を失うという。その巨体は、時に数百メートルにも及ぶと言われ、遠くからでもその存在を確認することができる。しかし、グラゴヴァンの姿を見ることができるのは稀であり、多くの場合、その存在は峡谷を吹き抜ける唸るような風の音によって感じ取られる。
グラゴヴァンがもたらす「不動の意志」の恩寵は、人々に精神的な強さと決意を与える。この恩寵を受けるためには、断崖の頂で7日7晩、一切の飲食を絶って瞑想を行わなければならない。過酷な試練を乗り越えた者のみが、精神的な動揺や外部からの影響を受けにくくなり、強固な決意を維持する力を得ることができる。
エルナ・ヴァルタの試練
歴史上、グラゴヴァンの恩寵を求めて多くの者が挑戦してきたが、その過酷さゆえに成功者は稀である。しかし、崇願期の英雄エルナ・ヴァルタは、この試練を乗り越え、「不動の意志」を獲得したことで知られている。
エルナ・ヴァルタは、自身の故郷を襲った畏き者ルザク・ミアとの戦いに敗れ、深い絶望に陥っていた。最後の望みを託し、彼女はグラゴヴァンの住まう断崖、ミアルヴァン・エルナの頂を目指した。7日7晩の間、凍てつく風と飢えに耐えながら、彼女は不屈の精神を鍛え上げた。
試練を終えたエルナ・ヴァルタは、まるで岩から生まれ変わったかのような強靭な意志を得て断崖を下りた。その後、彼女はルザク・ミアとの再戦に挑み、見事に勝利を収めた。この伝説は、グラゴヴァンの恩寵の力と、人間の可能性を示す象徴として語り継がれている。
グラゴヴァンへの信仰
グラゴヴァンを崇拝する信仰は、主に山岳地帯や峡谷近くの集落で広く見られる。信者たちは、グラゴヴァンを「大地の柱」や「不動の守護者」と呼び、その力に畏敬の念を抱いている。
毎年、春分の日には「岩柱の祭り」が行われ、信者たちは険しい断崖を登り、グラゴヴァンへの敬意を表す。この祭りでは、岩を積み上げて小さな塔を作る儀式が行われ、参加者たちは自身の願いや決意を込めて石を積み上げる。
また、グラゴヴァンの加護を求める登山者や冒険者たちも多い。彼らは、危険な断崖絶壁を登る前に、小さな岩の祠に供物を捧げ、安全と強い意志を祈願する習慣がある。
グラゴヴァンの影響
グラゴヴァンの存在は、地形形成にも大きな影響を与えているとされる。その巨大な岩柱の姿が、長い年月をかけて風雨に削られることで、独特の峡谷や断崖絶壁が形成されるという。
また、グラゴヴァンの唸りは、時として大規模な地滑りや落石を引き起こすこともある。そのため、グラゴヴァンの住まう地域では、人々は常に自然の力に対する畏怖の念を持ち続けている。
一方で、グラゴヴァンの恩寵を受けた者たちは、その強靭な精神力によって、困難な状況下でも冷静さを保ち、適切な判断を下すことができるとされる。そのため、政治家や軍人、探検家など、重要な決断を迫られる立場の人々の中には、グラゴヴァンの試練に挑む者も少なくない。