エルナルヴァネの記憶喪失疫病

ベロヴを襲った奇病の大流行

七国期1089年、ベロヴの首都エルヴァントを中心に奇妙な疫病が流行した。患者たちは徐々に記憶を失っていき、最終的には自分が何者かさえ分からなくなるという症状を呈した。この疫病は「エルナルヴァネの記憶喪失病」と呼ばれ、社会に大きな混乱をもたらした。

疫病の原因究明に乗り出したエヴァリナ学者たちは、これが畏き者エルナルヴァネの仕業ではないかと推測した。エルナルヴァネは記憶と忘却を司る畏き者とされ、その影響力が何らかの形で人々に及んだのではないかと考えられた。

約3ヶ月間猛威を振るったこの疫病は、突如として終息した。しかし、記憶を失った多くの人々は元の生活に戻ることができず、ベロヴの社会構造に大きな変化をもたらすこととなった。この事件以降、ベロヴでは記憶や個人のアイデンティティの重要性が強く認識されるようになった。