グリトリュクトの舞踏病
ベロヴを襲った奇病の大流行
七国期112年、ベロヴの首都エルヴァントで奇妙な病が発生した。患者たちは突如として制御不能な踊りを始め、数日間踊り続けた後に衰弱死するという症状を呈した。この奇病は「グリトリュクトの舞踏病」と呼ばれ、瞬く間に周辺地域に広まった。
当初、この病は畏き者グリトリュクトの仕業ではないかと恐れられた。しかし、エヴァリナ学者たちの調査により、これは特殊な菌類の胞子による中毒症状であることが判明した。胞子は河川を通じて広まったとされる。
この疫病は約2ヶ月間猛威を振るい、推定で5000人以上の犠牲者を出した。この事件を機に、ベロヴでは公衆衛生システムの大規模な改革が行われ、他国にも影響を与えることとなった。