タ・オヴェルタ
祈りの結晶
アヴィスティアの鉱山で稀に発見される、人々の祈りが結晶化したとされる鉱石。
タ・オヴェルタは、アヴィスティアの最深部の鉱脈でごく稀に発見される、神秘的な結晶体である。その姿は、透明な水晶のようでありながら、内部に無数の小さな光の粒子が漂っているように見える。鉱石学者たちの分析によれば、この結晶の組成は既知のいかなる鉱物とも一致しないという。
伝説によれば、タ・オヴェルタは、長年にわたって地下深くに蓄積された人々の祈りや願いが、畏き者の力によって結晶化したものだとされる。そのため、この結晶を身につける者は、強い精神力と守護の力を得られるという。
アヴィスティアでは、タ・オヴェルタの発見は吉兆とされ、鉱山での安全と豊富な収穫を約束するものと考えられている。発見された結晶は通常、最も近い畏き者の祠に奉納され、鉱山労働者たちの安全を祈願する儀式に使用される。
しかし、その希少性から、タ・オヴェルタは富裕層や権力者たちの間でも珍重されており、時として密かに取引されることもある。そのため、アヴィスティア政府は結晶の取り扱いに関する厳格な規制を設けており、無許可での所持や売買は重罪とされている。