ヴェリャ・ノルティア

漁師たちの守護霊

ノルセリアの沿岸部で信仰される海の精霊。豊漁と安全な航海をもたらすとされる。

ヴェリャ・ノルティアは、ノルセリアの漁師たちの間で古くから信仰されてきた海の守護霊である。その姿は、上半身が美しい女性で、下半身が魚の尾を持つ人魚のような存在として描かれる。長い緑の髪は常に濡れており、その瞳は深い海の色をしているという。

伝説によれば、ヴェリャ・ノルティアは嵐の夜に難破した船の乗組員を救ったことから、漁師たちの信仰を集めるようになったとされる。漁に出る前、船乗りたちは必ずヴェリャ・ノルティアに祈りを捧げ、安全と豊漁を願う。

ノルセリアの港町には、ヴェリャ・ノルティアを祀る小さな祠が点在している。これらの祠には、漁師たちが奉納した貝殻や小魚の干物が飾られており、良い漁があった際には新鮮な魚が供えられる。

毎年、夏至の日には「ヴェリャ・ノルティアの祭り」が開催される。この日、漁師たちは最も美しい貝殻で作った首飾りを海に投げ入れ、守護霊への感謝を表す。祭りの夜には、海辺で歌と踊りが繰り広げられ、ヴェリャ・ノルティアの加護を祈願する。