トヴァリス
壮大な吊り橋群
カレニアの峡谷地帯に架かる、伝統工法で建造された吊り橋群。その美しさと技術は、カレニアの誇りとなっている。
トヴァリス・エルナは、深い峡谷を縫うように架けられた数十の吊り橋の総称である。各橋は地元の植物繊維で編まれた強靭なロープと、風雨に耐える木材で構成されている。最も長い橋は全長300メートルに及び、その下には濃霧に包まれた峡谷が広がっている。
これらの橋は、カレニアの山岳部族によって何世紀にもわたって維持されてきた。橋の建造と補修は、成人の儀式の一部となっており、若者たちは危険を顧みず、峡谷の向こう側へと橋を架ける技術を学ぶ。
トヴァリス・エルナは単なる交通手段ではない。その存在は、人間と自然、そして畏き者との調和を象徴するものとしてカレニアの人々に敬われている。橋を渡る際には、必ず畏き者グラゴヴァンへの祈りを捧げるのが慣わしだ。
近年、この吊り橋群は他国からの旅行者の間でも人気を集めている。しかし、その美しさと冒険心をくすぐる魅力の裏には、常に危険が潜んでいることを忘れてはならない。強風や突然の霧の発生により、毎年数人の命が失われているのだ。