ドルヴァン・エルナ大学
イシェッドの学術の中心地
ドルヴァン・エルナ大学は、イシェッドの古都ヴァルタ・ミアに位置する、大陸最古にして最高峰の学術機関である。エヴァリナ学を中心に、畏き者研究の最先端を担う名門校として知られている。
ドルヴァン・エルナ大学の起源は、一統期末期にまで遡る。当時、畏き者ドルヴァンティス・ルザクの恩寵を受けた学者エルナ・サルヴァリュが、森の奥深くに創設した小さな学舎がその始まりだった。
大学の中心には、「永久樹」と呼ばれる巨大な樹木がそびえ立つ。この樹は畏き者ドルヴァンティス・ルザクの化身とされ、その枝葉は大学の建物を覆い、知恵の象徴として崇められている。
大学は五つの学部で構成されている。エヴァリナ学部、畏き者研究学部、恩寵応用学部、自然哲学部、そして神秘言語学部である。中でもエヴァリナ学部は、その革新的な研究で知られ、七国からの留学生や研究者が集まる。
大学の図書館「知恵の森」は、大陸最大の蔵書を誇る。ここには、畏き者に関する古来の記録から、最新のエヴァリナ学の論文まで、膨大な知識が集積されている。特筆すべきは、図書館の管理システムだ。畏き者の力を利用した特殊な装置により、求める書物が自動的に呼び出されるという。
ドルヴァン・エルナ大学の特徴的な教育方法に、「森語り」がある。これは、ヴァルタ・ノルヴァ森林地帯の奥深くに分け入り、畏き者の気配を直接感じ取ることで行う実地研究である。多くの重要な発見がこの「森語り」から生まれている。
大学は、その高度な研究成果により、イシェッド政府の政策決定にも大きな影響力を持つ。特に、畏き者との関係構築や、新たな恩寵の応用方法の開発において、重要な役割を果たしている。
しかし、大学の影響力の増大は、時に他国との軋轢を生む原因ともなっている。特に、アヴィスティアやフェダスは、大学の研究が自国の権益を脅かす可能性を懸念している。そのため、大学の知識や技術の流出を防ぐための厳重な管理体制が敷かれている。