サルヴァリュ暦

七国で使用される共通暦法

サルヴァリュ暦は、畏き者サルヴァリュ・オヴァネスの出現を元年とする暦法であり、ルミア・ヴァルタ大陸の七国で広く使用されている。この暦は、畏き者の影響を強く受けた独特の時間概念を反映している。

サルヴァリュ暦は、崇願期の開始と同時に制定された。畏き者サルヴァリュ・オヴァネスの出現により、時間の流れそのものが変容したとされ、これを機に新たな時間計測の必要性が生じたのである。

この暦法の最大の特徴は、「揺らぎの日」の存在である。通常、1年は365日で構成されるが、5年に一度、畏き者サルヴァリュ・オヴァネスの影響により時間の流れが乱れ、1日から3日の間で不定期に日数が増減するという。この「揺らぎの日」の正確な日数は、その年ごとに畏き者サルヴァリュ・オヴァネスの神託により決定される。

サルヴァリュ暦は12の月で構成され、各月の名称は主要な畏き者にちなんで名付けられている。例えば、最初の月は「ルミオス月」、6番目の月は「ヴェリャ月」というように。各月は30日または31日からなるが、最後の「サルヴァリュ月」のみ、「揺らぎの日」を含むため日数が変動する。

暦の運用は、各国の天文台が担当しているが、最終的な調整は七国共同で運営される「サルヴァリュ神殿」で行われる。ここでは、畏き者サルヴァリュ・オヴァネスの神託を受ける特別な儀式が執り行われ、来たる年の正確な日数が決定される。

サルヴァリュ暦は、単なる時間計測の道具ではなく、畏き者の存在を日常的に意識させる重要な文化的装置となっている。人々は、「揺らぎの日」を通じて、時間の不確実性と畏き者の力を実感し、自然の摂理に対する畏怖の念を新たにするのである。