ルグリトヴァンの月光舞踏会

カレニアで発生した奇妙な集団舞踏現象

七国期1078年、カレニアの山岳都市ルグリトヴァンで、満月の夜に奇妙な現象が発生した。都市の住民全員が突如として踊り出し、夜通し踊り続けたのである。この出来事は「ルグリトヴァンの月光舞踏会」として知られている。

目撃者の証言によれば、人々は恍惚とした表情で、優雅かつ複雑な舞踊を披露したという。興味深いことに、普段は歩行さえ困難な老人や幼児までもが、難なく踊りをこなした。

この現象は、月光と幻想を司る畏き者ルグリトヴァンの仕業だと考えられている。舞踏会は夜明けとともに終わったが、参加者の多くは深い疲労と同時に、言葉では表現できない充足感を覚えたと報告している。この事件以降、ルグリトヴァンでは毎年満月の夜に祝祭が開かれ、畏き者への感謝と畏怖の念を表すようになった。