グリルヴァネス・テヴァリス
運命を紡ぐ神秘の織機
フェダスの隠れ里に伝わる、人々の運命を織り上げるという伝説の織機。
グリルヴァネス・テヴァリスは、フェダス北部の人里離れた山村に代々伝わる、神秘的な力を持つ織機である。一見すると古びた木製の織機に見えるが、その梁や糸巻きには、解読不能な古代文字が刻まれている。
伝説によれば、この織機は畏き者ゼトーによって人間に与えられたものだという。グリルヴァネス・テヴァリスで織られる布には、人々の運命が織り込まれるとされ、その模様を読み解くことで、個人や国家の未来を垣間見ることができるという。
織機を操るのは「運命の織り手」と呼ばれる、特別な才能を持つ少女たちだ。彼女たちは幼い頃から厳しい訓練を受け、織機の秘密を守ることを一生の任務としている。織り手たちは、織機に触れることで人々の運命の糸を感じ取り、それを布地に織り上げていく。
しかし、グリルヴァネス・テヴァリスの力には大きな制限がある。織り上げられた運命の布を、当事者が直接目にすることは固く禁じられているのだ。運命を知ることは、時として悲劇を引き起こすとされているからだ。そのため、織り上げられた布は、解読を許された特別な解釈者によってのみ読み解かれ、その内容は比喩的な言葉で伝えられる。
フェダスの王族は、重要な決断を下す際にしばしばグリルヴァネス・テヴァリスの助言を求める。しかし、その存在は一般には知られておらず、ほんの一握りの高官のみが、この神秘的な織機の力を知っているにすぎない。